初期中絶の手法について
初期中絶の手術手法は吸引法と掻把(そうは)法の2種類があります。当院では吸引法による手術を行っています。
吸引法について
安全性が安定していること、手術時間が短いこと、そして出血量が少ないことから母体への負担が少なく、WHOが安全性を認めて推奨している手法です。筒状の金属棒を子宮に入れて陰圧をかけることで子宮内部の胎児や胎盤を吸引します。日本ではまだ積極的に導入している医療機関が少なく、主に胞状奇胎などの症例に使われています。
吸引法のメリット
技術力による差が出にくい手法であり、安定的に安全性を保てる
手術時間が短く、出血量が少ないため、お身体への負担が軽減できる
吸引法のデメリット
日本ではまだ実績のあるドクターが少ない
適切な術後のケアを受けられるクリニックが少ない
掻爬法とは
日本では大学病院で最初にこの掻把法を習うため慣れている医師が多く、現在も妊娠11週までの初期中絶手術の8割がこの掻把法で行われています。手術前に子宮口を開き、スプーン状の器具や鉗子で胎児と胎盤を除去するため、吸引法よりも手術時間が長くなりやすく、出血も多くなる傾向があります。
掻爬法のメリット
手に子宮内の状態が伝わってくるため、経験豊富なドクターであれば状況を把握しやすい
多数のクリニックで行われているため、クリニック選びの選択肢が多い
掻把法のデメリット
経験不足や不測のミスで母体を傷付けてしまう可能性がある
深刻な事故を起こすリスクが比較的高い
手術時間が吸引法より長くなる傾向があり、炎症や出血増のリスクが高くなる